ニュースレター第3号(2021年9月)

2021年度第2回理事会で話し合われた内容を中心にニュースレターを発行いたします。新型コロナの影響で思うような活動ができずにいますが、10月に第1回フィールドワークを行う予定です。

2021年度第2回理事会

2021年9月12日に行われた定例理事会で話し合われた内容を、議事の進行に従ってお伝えします。

主な活動報告

・コロナ禍に伴う緊急事態宣言で、いろいろな活動が変更を余儀なくされております。計画段階のものとしては、フィールドワークで私市植物園の見学を企画しましたが、入場制限のため無期延期に。京都の渉成園(枳殻邸)庭園の整備工事の見学も延期となり、園内の整備工事は終了してしまいましたが、改めて完成後の見学を冬に行うよう、計画の練り直しをしています。

・昨年12月5日に行ったセミナーは、ようやく映像配信ができるようになり、会員にご案内できました。(URLは送付したメールでご確認ください)

・ホームページの作成及び管理の担当者を募集したところ武田智彦さん(監事/業務委員)から申し出があり、さっそくアカウントの取得から始め、作成作業を進めていただいています。

・2つの分科会が会員の皆さまに参加を呼び掛けています。対面の活動が難しいこともあり、スラックというインターネット上のコミュニケーション手段を使って情報交換を行うようにしています。

・会員状況は、個人会員63名(うち11名が会費未納ですが)、賛助会員3団体となっています。新しく賛助会員になったのは、一般社団法人モノコミュ研究所です。

第1回シンポジウムについて

当初2021年8月23日から25日に予定していた第1回シンポジウムは、ご案内の通り、いったん10月初旬に延期しましたが、緊急事態宣言が延長されて開催日直前まで続くことになり、仮に9月末で宣言解除となった場合でも、参加者の募集が難しいことから、今年度の開催を取り止めることとなりました。改めて来年度の開催を目指します。

開催に替えて、4月に発行予定の研究会誌を充実させてシンポジウムの誌上開催のようなことができればよいのではないかということで、これから編集委員会を立ち上げて準備をしていこうと考えています。

シンポジウムで予定した講演のうち、角倉起美さんの講演は博士論文の準備を兼ねていたので、発表の機会を持った方がよいのではないかということで、単独のセミナーを開催する案が理事会で提案されました。(その後、調整を経て、セミナーは実施しないこととなりました。)

ナショナルトラスト活動実態調査分科会

メールで参加者募集のお知らせをしていますが、現在は、ナショナル・トラスト活動をする団体の、どんな情報を収集していくか、項目の洗い出しと整理を行っている段階です。対象とする団体については、範囲を広げ、建築物や環境の保存活動をしている団体も広く取り込んで、保存・保全活動としてのナショナル・トラストの実態を見ることとします。

どうして活動を志し、どのように始めたのかといった、これから活動を進めていく団体にとって有益な情報を収集し提供できるよう、どういった整理の仕方とするかも課題です。

公益活動ファンド分科会

文化遺産の保存や維持管理のためには何らかの形でお金を集める必要がありますが、寄付や支援等で集めたお金をどういうふうに管理していけばよいか、昨今はNPOを利用した詐欺のようなものもあり、そうした疑念を持たれずに皆さまのお金で活動していくにあたって、ある種のガバナンスであったり、しっかりとしたフレームワークを示すことができれば、多くの方が安心して参加できるのではないか、こういったことを主眼に置いて研究を進めたいと考えています。

併せて、日本になぜ寄付文化が根付いていかないのかを考えることも大きなテーマとしています。

秋のフィールドワーク

文化遺産の保存活動について知見を得ることを目的に、丹波篠山市の重要伝統的建造物群保存(重伝建)地区で行われている保存活動の見学会を計画しています。

詳しくは別項でご案内しますが、重伝建地区で毎年数件ずつ行われている伝統的建造物の修理工事の現場を担当設計者の説明を聞きながら見学し、町も歩きます。時節柄、人数を限定したうえ食事会などの交流会も行えず、現地集合・解散の会になります。福原理事のご紹介で丹波篠山市役所におられる大阪芸術大学の卒業生の方も講師として参加していただくことになりました。

(詳細は別項)

今後のセミナー/フィールドワーク

活動報告に既出の渉成園(枳殻邸)庭園の見学では、庭園修復を担当した方のお話も聞き、理解を深めたいと考えています(1-2月の予定)。

福原理事が修復に関わっておられる岸和田城の「八陣の庭」(重森三玲設計・作庭)では、割れた石を接着する修復工事が続けられており、工事の様子を見学させていただけそうです。

茅葺民家の葺替えや差し茅(部分修理)が、神戸市北区や京都府美山町などで、毎年どこかで行われているので、職人の説明を聞きながら、見学や体験をすることも考えられます。

京都東山にある知恩院塔頭・良正院が解体修理工事中、あるいは、京都国立博物館の東にある妙法院の庫裏が修理工事中なので、コロナの状況が好転して見学できれば、貴重な体験になると思われます。

同じく京都市左京区の京都大学近くには重森三玲邸があり見学することができます。重森三玲作庭の庭に加えて、建物は元は近接する吉田神社の社家住宅の、非常に趣のある立派なもので、それに重森三玲のデザインが施されています。

自然系の見学先では、日本のナショナル・トラストの先駆者である和歌山の天神崎が、少し遠いですがぜひ見に行くべき場所と思われます。

このほかにも企画案や意見が検討されています。会員の皆さまからのアイデアもお待ちしています。

研究誌

4月の総会で配布する予定ですが、研究会の活動を形に残し、それを積み上げていくものと考えています。前記のように、シンポジウムの誌上開催のような内容が検討されており、会員の皆さまの活動や研究の成果を発表していただく場にもしたいと考えています。

ホームページ

武田智行さんの担当で研究会のホームページが開設されました。現在は仮公開の状態で、画像に仮のものが入っていますので、会員の皆さまからおススメの写真をお送りいただいて差し替えたいと思います。また、皆さまからのご意見を随時反映して、よいものにしていきたいと考えています。

研究会に関係する3団体のプロパティを紹介したり、会員および会員の所属団体の紹介も掲載したいと考えていますので、情報をお寄せください。ゆくゆくはコラムや論考も掲載していき、充実したホームページにしたいと考えています。

ホームページを多く見てもらうためには、頻繁な更新が重要になりますので、さまざまな記事を定期的に掲載していくことが望ましく、会員の皆さまから寄せられた情報を素早く掲載できるよう、チームで作業に当たることも検討していきます。少し慣れた方なら自分で書き込みできるようパスワードを発行する予定にしています。

ホームページのURLはこちらです。

研究会ライブラリー

アメニティ2000協会より、協会が発行した書籍やレポート等の資料を寄贈する旨申し出を受けました。これを契機に、研究会ライブラリーを設立することとします。ナショナル・トラスト活動や文化遺産の保存活動全般に関連する資料を収集していくのは研究会の役割としてあってもいいのではないかとの考えによるものです。手始めにアメニティ2000協会が発行している資料からスタートし、書籍購入費用の予算化も検討していきます。

公開の仕方や管理の方法を技術面も含めて検討する必要がありますが、資料を所有していることを対外的に示し、インターネットなどを通じて検索ができ、活用できるライブラリーが形成できればよいと考えています。ホームページのコンテンツとすることも考えられます。

INTOへの加盟申請

INTOとは、国際ナショナル・トラスト機構(International National Trust Organization)で、世界65か国85のナショナル・トラスト団体が加盟する国際組織です。事務局は英国にあり、日本からは唯一アメニティ2000協会が加盟しています。主な活動は2年に1度の世界大会で、活動している団体同士が意見交換をする中で、啓発し運動を発展させていこうというものです。

研究団体が加盟した前例はないかもしれませんので、認められるかどうか分かりませんが、研究会としては、日本だけでなく広い視野を持つということで、加入すればどうかと考えました。年会費は資産によって決まるので大きな額にはならないはずですし、申請し審査を経て加盟が認められれば、世界的なネットワークの中に研究会も入るということは大きなメリットになると考えています。

分科会設立に関する規則

現在は2つの分科会が活動を始めようとしていますが、今後、会員の皆さまが新たに分科会を始める場合の簡単なルールを決めておく必要があると考えて設置規則を作りました。

  •  分科会は、文化遺産信託研究会規約4条の事業を行うため、本会会員が参加し、運営・活動するものとする。
  •  業務委員会は、理事会の承認を受けて分科会を設置することができる。
  •  正会員は、業務委員会に対して新たな分科会の設置を求めることができる。

2022年度 理事会と総会の日程

次のように予定しています。

理事会 2022年3月21日(日)

9月11日(日)

総会  2022年4月 4 日(月)

(以上、文責:津枝(業務委員))

第1回フィールドワーク2021秋のご案内

丹波篠山市河原町重伝建地区周辺で行われている文化遺産保存活動を見学します。

日時:2021年10月23日(土)13時~16時

場所:丹波篠山市河原町周辺

参加費:1,000円 定員:15名(申込み先着順) ※詳しくは、チラシをご覧ください。

ニュースレターの新名称募集

ニュースレター編集担当から、皆さまのお知恵を拝借したくご連絡いたします。

現在第3号まで発行済みの研究会ニュースレター(本誌)を、よりふさわしく親しみやすい名称に変更したいと考えており、会員の皆さまから案を募集いたします。

例えば、建築家ヴォーリズが活動した近江ミッション(近江兄弟社)は、『湖畔の声』という名称の月刊誌(ニュースレター)を発行していました。同じく英文誌には『マスタード・シード(芥子の種)』と名付けています。このような、会の理念や活動を表すよい名前はないでしょうか。

お寄せいただいた案の中から、業務委員会で選考し決定いたします。締め切りは2021年12月末までとします。応募は下記メールのアドレス宛に送信願います。(info@bunkaisan-shintaku.org)

どうぞ奮ってご応募ください。よろしくお願いいたします。

書籍のご紹介「ウィリアム・メレル・ヴォーリズ~失意も恵み」

2021年  発行:ミネルヴァ書房

ヴォーリズ建築研究の第一人者で、当研究会理事の山形政昭先生が、ミネルヴァ書房より『ウィリアム・メレル・ヴォーリズ~失意も恵み』を上梓されました。𠮷田与志也さんとの共著です。

キリスト教伝道者、社会事業家としても活動したヴォーリズの歩みを丹念に紐解き、あまたの支援者、協働者の実像を捉えることで、建築活動の特色と事業の広がりを明らかにされており、日本での活動の成果が実った後半生だけでなく、ヴォーリズ本人が重視した幼少期や伝道初期の経験なども取り扱って、一生を概観した評伝はこれまでにないということです。

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