ニュースレター第2号(2021年4月)

2021年年度総会にあわせてニュースレターを発行いたします。いよいよ研究会の活動が動き始めますので、ご期待ください。来年度は研究誌(アニュアルレポート)の発刊を予定しています。

年間活動計画について

業務委員長 飯畑 正一郎

2021年は、当研究会が本格的に動き始める年です。年間活動計画とスケジュールを説明します。

まず、年間のスケジュールは、次のとおりです。

1月下旬ニュースレター1号の発行
3月21日2021年度第1回定例理事会の開催
4月 5日2021年度定時総会の開催 ニュースレター2号の発行
5月~7月セミナー/フィールドワークの開催
8月23日~25日シンポジウムの開催
9月12日2021年度第2回定例理事会の開催
9月中・下旬ニュースレター3号の発行
9月~11月セミナー/フィールドワークの開催

総会後に、分科会を二つ立ち上げます。分科会は、当研究会の核となる活動単位です。会員が、ナショナル・トラストに関するさまざまな切り口から分科会を作って、研究、実践等の活動を行い、各分科会が連携をとりながら、ナショナル・トラスト活動の日本での普及と定着を図っていこうとするものです。会員の皆さまの豊かな発想と活力に期待をしています。まずは、二つの分科会を作って分科会活動を始め、その中から派生的・発展的に分科会を作っていったり、新たな切り口から全く新たな分科会を立ち上げたりしていきたいと思います。

最初の分科会は、「ナショナル・トラスト活動実態調査分科会」です。現在、日本でナショナル・トラストに関わる活動をしている団体を調査し、訪問してその活動に対する理解を深め、情報の共有や活動の連携をし、さらには私たちの活動に参加してもらう、そういう活動を行うことを考えています。最初の分科会なので、業務委員長である飯畑正一郎が責任者となります。

二つ目は、「公益活動ファンド研究分科会」です。ナショナル・トラストを支える二つの柱、担い手と資金のうち、資金について研究、開発していくものです。責任者は、武田智行会員(監事)が務めてくださいます。こちらはこれから準備を始めます。詳細のお知らせはもうしばらくお待ちください。武田会員は、東京在住ですので、関東地区の会員の皆さま、積極的に参加、協力をお願いいたします。

分科会は、参加・不参加、退会自由です。

次に、セミナー/フィールドワークです。これは、講演や見学、あるいは実際の活動に参加するなどして、ナショナル・トラスト活動への理解を深めたり、他のナショナル・トラスト関係団体と交流したり、会員相互の交流・親睦・研鑽の機会を提供したりするものです。今年度は、関西では2回実施したいと考えています。企画が決まったら、あらためて皆さまにお知らせいたします。

関東にも多くの会員がいらっしゃるので、関東でも今年度1回は実施したいと考えています。これから、関東でこのような活動の核になってくださる複数の会員にお声をかけて準備して参ります。立候補してくださるのも大歓迎です。文化遺産信託研究会代表メールアドレスにご連絡ください。

シンポジウムは、「ナショナル・トラスト 文化遺産信託 の可能性(将来)」をテーマとして、第1回を8月23日から25日までヴォーリズ六甲山荘で行います。基調講演ほか、理事その他の講師による講演と分科会の成果の発表、会員の研究や活動の発表などを考えています。また、実践として、ワークを取り入れようと考えております。今年は、会場となるヴォーリズ六甲山荘で、外壁のベンガラ塗りをするそうなので、その一部をワークに取り入れてはどうかということを検討中です。1日だけ、2日だけの参加も可能です。ヴォーリズ六甲山荘での宿泊も可能です(人数に限りがあります。) その他、会員の多い地域で地域ごとの交流会を展

開できればと考えていますが、新型コロナの影響がありますので、慎重に進めて参ります。

これからは、インターネットを活用した活動が重要であると考えています。当研究会の情報発信の場として、ホームページとフェイスブックページを作成したいと考えています。先日、その作成と運用管理をしてくださる会員の方をメールで募集いたしました。ふるって手を上げてください。また、会員向けに、セミナー/フィールドワークその他の活動をユーチューブで配信します。手始めに、昨年12月5日のセミナーを録画したものをユーチューブで配信する準備を進めています。さらに、全国にいらっしゃる会員の情報の共有、ヴァーチャルな活動の拠点として、スラックというソフト(アプリ)の活用を考えています。スラックは、チームコミュニケーションツールの一つで、会員は、ワークスペースに設置される各種のチャンネルに参加してそこで情報交換(チャットやファイル共有など)ができます。文化遺産信託研究会では、分科会ごとにチャンネルを設ける予定です。現在、業務委員会で試用中ですが、前記の分科会を立ち上げた段階で、会員の皆さまを文化遺産信託研究会のワークスペースに招待いたします。

その他の活動として、年2回(1月と9月)ニュースレターを発行し、毎年4月に研究会誌を発行します。ニュースレターは、そのときそのときのトピックや会員の活動の情報を提供したりします。研究会誌では、研究会や分科会の1年間の活動報告や会員の研究・実践等の発表などを予定しています。なお、本年4月には研究会誌の代わりにニュースレター2号を発行します。

以上に基づいて2021年1年間の活動をして参ります。

ナショナル・トラスト活動実態調査分科会の紹介と参加者の募集

ナショナル・トラストというと、皆さん、英国の「ザ・ナショナル・トラスト」という団体を思い浮かべると思います。ザ・ナショナル・トラストは、420万人の会員、350以上のプロパティ(歴史的建造物や自然保護区、庭園などの資産)を保有する全国規模の団体です。日本では、作家の大佛次郎氏が紹介し、古都鎌倉の自然環境を守るために活用されたのがはじめとされ、その後、自然環境だけでなく、歴史的建造物などの保存のためにも活用されるようになりました。そして、今では多数のナショナル・トラスト団体が活動しています。けれども、日本では、ザ・ナショナル・トラストのような全国的規模の団体は育っていません。これは、どのような理由によるものか、それが良いのか悪いのか、日本におけるありようなのか、誰も深く研究したことがありません。一方、それぞれの団体の連絡、連携も十分になされていないように思われます。

当研究会は、ナショナル・トラストの普及と定着を目指しています。それには、日本におけるナショナル・トラストに関わる活動の実情をしっかりとつかむことが必要です。はじめに、ナショナル・トラスト活動に関わる団体を「探しましょう」。見つけたら、その団体を「訪ねて」その活動を知り、お互いに「繋がり」、「情報交換を続け」ていきましょう。多くの団体を知り、繋がっていくことによって、日本のナショナル・トラスト活動の実情について理解が深まり、そこから日本のナショナル・トラスト活動が進むべき方向や、問題点が見えてくると思います(アンケート調査なども一つの手法です。)。また、多くの団体との交流を続けていくことにより「情報交換の結節点に」なっていけたらいいと思います。

当分科会は、参加者がナショナル・トラスト活動を行う団体の情報を持ち寄り、その団体と連絡を取り、訪問し、情報交換し、それらの団体の情報を集積していきます。どんな情報を集積していくことが必要かも議論の対象になるかもしれません。集積した情報をどのように活用していくのか、どのように交流を継続していくことがよいのか、情報交換の結節点になるためにはどうしていけばいいか、いろいろな課題がありそうです。今は思いつきもしない面白い課題(やりたいこと)が見つかるかもしれません。

新型コロナ禍が収まらない中、この分科会の活動をどう展開していくか自体も課題です。参加者の随時の連絡は、スラックというツールを使って行います。パソコン、スマートフォンをお持ちの方は簡単に参加していただけます。リアルの会合、訪問のほか、グーグル・ミーツを使ってオンラインの会合を開くことも考えています。訪問も、会員個人でもできますし、仲間で行うこともできそうです。地域ごとに手分けして行うことも、時には、旅行を兼ねて行うことも楽しそうですね。

参加するには、スラックに招待されたら、文化遺産信託研究会のワークスペースの中で「ナショナル・トラスト活動実態調査分科会」のチャンネルに参加して、ひと言自己紹介をお願いいたします。

多くの会員に参加していただき、活動していただけたら幸いです。(飯畑正一郎)

研究会のロゴについて

総会で、当研究会のロゴが発表されました。

業務委員会が、会員で陶芸家の 角倉起美氏に依頼し、複数のデザインの中から、理事会で検討して決定したものです。ロゴの核となるのは、左のデザインです。

これに、「National Trust」と「文化遺産信託」の文字を併記するのを基本として考えています。大きさによっては、正式名称「文化遺産信託研究会」やその英語名「Research Association of National Trust on Natural and Cultural Heritage」を併記してもよいと思います。当研究会では、「National Trust」の日本語訳として「文化遺産信託」という言葉を普及・定着させようとしていますから、原則として両方併記します。今回、ニュースレターの冒頭に、基本となるパターンを使用してみました。他の展開例として、次の2点も紹介します。

会員を増やす活動

ナショナル・トラスト活動を普及・定着させるためには、当研究会の活動に賛同して参加してくださる方を増やしていくことが必要不可欠です。

会員の皆さまは、知人に当研究会を紹介していただき、参加の輪を広げていってください。そのため、当研究会から送付するものがあるときには、当研究会のチラシと会費の払込用紙を複数枚同封いたします。これらを活用していただきたいと思います。もっと多くのチラシが必要な場合には、当研究会の住所か代表メールアドレスにご連絡ください。

業務委員会としても、会員の輪を広げていくために、特に、賛助会員を増やす活動をしていこうと考えています。会員の皆さまの中で、賛助会員の候補となる団体を知っている方がいらっしゃいましたら、ご紹介ください。また、大学の公開講座、その他ナショナル・トラスト活動に関係するイベントなどに参加して当研究会を紹介する活動も展開してきたいと考えています。

皆さまからの提案を歓迎いたしますので、ご連絡をお待ちしております。

書籍のご紹介

「英国ナショナル・トラスト」

2016年  発行:アメニティ2000協会

価格:1000円

アメニティ2000協会は英国ナショナル・トラストをモデルとして設立されたNPOです。日本でも多くの文化財や自然が失われつつある時代に、公的機関の介入を待つのではなく、市民が自らの手で守っていこうというナショナル・トラストの運動のあり方、それが英国において大きな成果をあげていることに感銘を受けました。その英国ナショナル・トラストについて知るのに本書はきっと役に立つとお薦めします。

協会の手本である組織を実際に見たいと、2002年から隔年で2014年まで計7回英国を訪問し、イングランド、スコットランド、アイルランドのナショナル・トラスト所有のプロパティ(資産)を訪問しました。スコットランドにもアイルランド共和国にもそれぞれ英国ナショナル・トラストに相当する組織があり、同様の活動をしていました。

この本には協会が7回の旅行で訪問した82ヶ所のプロパティを「草創期のプロパティ」「遺跡」「自然」「建物」「その他」と分類して紹介しています。多種多様なプロパティが歴史や文化を伝える国民みんなの財産として保存されており、私たちの訪問したのはそのほんの一部にすぎません。それでも本書を読めば、ナショナル・トラストの腕の長さ、広さ、多様さを実感できると思います。

また本書では英国ナショナル・トラストについての解説(清水彬久アメニティ2000協会理事長)と研究文(千葉大学大学院准教授頴原澄子さん、東京工業大学博士課程の山本真紗子さん)を掲載しています。ナショナル・トラスト運動への理解を深めるのにきっと役立つことでしょう。(清水順子)

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